〜アロマテラピー〜家庭での香育のススメ
2008-09-07


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最近、色々な所で‘五感’という言葉が使われています。人間の五感とは視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の事ですが、この中で学校の授業にないのが、嗅覚の授業です。
 味覚は授業ではありませんが、給食での「食育」がさかんになってきています。でも嗅覚は・・・?
 残念ながら、香りや匂いの授業を行っているところはまだまだ少ないのが現状です。

 少し専門的な話になりますが、五感のうちで光や音、熱などを感じる視覚、聴覚、触覚は物理的な感覚、味覚や嗅覚は化学的な感覚と呼ばれています。動物は高等になるにつれ、視覚や聴覚からの外部情報を取り入れる事が多くなっていますが、依然として嗅覚は生命維持に重要な役割を持っています。
 私達が何かにおいを嗅いだ時、それが何かを認識する前に、その匂いが好きか嫌いか、あるいは快いか不快かという反応が先にきます。
 またあるにおいが、そのにおいに関連した記憶をふと呼び覚ますこともあります。これは、嗅覚が古い脳とも呼ばれている大脳辺縁系に直接働きかけるからで、大脳辺縁系は、感情や本能、記憶にかかわる活動を支配しています。それと同時に嗅覚刺激は大脳皮質と呼ばれる知的活動をしている脳にも同時に伝えられ、香りに対する意識を作り出します。

 ここ数年、ドラッグストアやスーパーに消臭関連の商品がものすごく増えたとは思いませんか?その一方でもの凄い数の香水やコロンなどなど・・。少しでもいやなにおいは徹底的に排除し、自分の好みの香りのみを追求する社会。
 近年の無臭化志向社会が実はコミュニケーションの希薄化と関係しているのではないか?そしてそれは現代のイジメとも深い関連があるのではいかという説があり私も同感です。

 私の子供時代の頃を思い出してみると、生活の中に色々な匂いや香りが存在していたように思います。幼い頃はまだ水洗トイレではなかったので、(年齢がバレますネッ)町を走るバキュームカーの匂い、近所でのたき火の匂い、ドロの匂い、竹やぶの匂い、雑草のむせるような匂い、そしてお習字の時の墨の匂い、等々。
 けっして良い香りばかりではないけれど、色々な匂いを感じながら生活していたように思います。しかし現代は・・・?
 最近は、加齢臭=悪?のように対策消臭剤まで発売されていますが、私は幼かった頃、祖父や祖母の匂いは大好きでした。それは確かに加齢臭だったと思うのですが、なぜか安心したのです。
 私の娘もお父さんの枕の匂いが好きで「何か安心する〜!」(笑)と言っています。そういえばスマップ×スマップに出演していた松浦あやも父の匂いを嗅ぐと安心!と発言していましたね。

 親と子は皮膚感覚と同時に匂いで母−子の絆を確認しているそう。
 ネズミなどの場合も生まれた子供を洗って無臭にすると、母ネズミは自分の子だと判別出来ずに殺して食べてしまうそうです。

 あらゆるものが無臭、あるいは消臭して無臭化し、一方では好みの香りをとことん追求していく。この事は自分の価値観と一致しないものは徹底的に排除していく事と重なると思いませんか?触れる、嗅ぐという経験が極端に少なくゲームなどで聴覚と視覚を刺激するばかりでは、歪な五感の使い方ですよね。(触れる事の大切さについての思いはハンドトリートメントのススメのところで書いています。)

 好きな香りを楽しむ事はとてもリラックス出来、心身のバランスを取るためにはとても有用ですが、一方で色々なものの香りや匂いの存在も認めていく事が、実は色々な価値観の人を認めていく事につながっていくのではないでしょうか?


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